ただの鼻風邪?と
勘違いしてしまいがちな鼻炎
鼻炎はとても覚えやすい表現ですが、厳密には「鼻過敏症」といいます。
原因が多岐にわたるため、確実に治療するにはその原因を知ることがとっても重要。
特に子どもの場合は、ただの鼻風邪と思っていたら、中耳炎や副鼻腔炎へと移行してしまうことも多く、
きちんと治療することが大切です。
鼻炎の症状、特徴
くしゃみ、鼻水がでる / 鼻が詰まる
鼻水が多い人や鼻詰まりが強い人、どちらも酷いなど、人によって程度は様々です。同じ鼻炎であっても実は、症状によって治療方針や薬も異なっていきます。また治りにくい鼻炎は、未就学児なら中耳炎へ、就学児以降は副鼻腔炎へと移行する確率が高くなるため、耳鼻咽喉科医としては、最も基本的でかつ重要な病気と考えています。
原因となるもの
有名な花粉やハウスダストなどを原因とするアレルギー性と、それ以外が原因となる非アレルギー性の2つに区分されます。一般的には前者を鼻炎として表現していることが多いですが、問題は後者です。例えば感冒症状としての鼻症状、寒暖差に伴う鼻症状など、非アレルギー性の原因は多岐にわたります。まずは自分の鼻症状が一体全体何なのか?これを知ることが大事です。
治療法
内服や点鼻薬が基本となりますが、花粉やハウスダストが原因となるアレルギー性鼻炎には、ゆっくり時間をかけて耐性を獲得していく「舌下免疫療法」が主体となってきました。
これらの治療を行っても改善が見られない方に対して、外科的手術を導入します。また近年では非常に限定的な症例に限って生物学的製剤など新しい薬の適応が始まりました。非アレルギー性に関してはその原因にもよりますが、体を温めたりなどの生活する上での工夫の方がよほど効果的なこともあります。ちょっと意外かもしれませんが。
手術の適応について
薬を使用しても症状が改善せず、日常生活に大きな支障が出ている方が手術の適応となります。具体的には内服でも鼻汁や鼻詰まりなどの症状が改善しない、内服で効果があるため長期間続けているがそろそろ中止したいとも考えている(けれど中止するとすぐに悪化する)方です。
自覚症状のみではなく精密検査で鼻詰まりが証明される方や季節に関わらず一年中鼻症状が存在している方など、厳密な適応基準が存在します。